
不動産会社に実家を見てもらったら、「ここは再建築不可なので、ふつうには売れませんね」と言われた。
建て替えられない土地だと言われても、ぴんとこない人がほとんどだと思います。親はずっとそこに住んでいたし、家もまだ建っている。それなのに、なぜ売れないのか。
先にお伝えしておくと、「再建築不可」と言われた家の中には、役所で調べ直すと建て替えられるものがあります。あきらめて安く手放すのは、そのあとでも遅くありません。
この記事で分かること
再建築不可と言われる理由
本当に建て替えられないのかを確かめる順番
再建築不可のまま売るときの相手
直して使う人に売るときに知っておくこと
法律の部分は、e-Gov法令検索で建築基準法の原文を読んで書いています。2026年9月24日に確認しました。自分の家がどうなるかは、最後は役所の建築の窓口で確かめてください。
再建築不可と言われる理由は、ほとんどが「道」
家を建てるには、敷地が道路に接していないといけません。建築基準法43条は、建物の敷地が道路に2メートル以上接することを求めています。
そして、ここでいう「道路」は、ただの道ではありません。42条で、原則として幅4メートル以上で、法律で決められた種類の道だけが「道路」とされています。
| よくある形 | 建て替えられない理由 |
|---|---|
| 家の前の道が細い路地 | その道が法律上の「道路」ではない |
| 奥まった土地で、通路が細い | 道路に接する幅が2メートルない |
| ほかの家に囲まれて道に出られない | 道路にまったく接していない |
親の家が建ったころは、いまほど決まりがきびしくなかったり、あとから決まりができたりしたものです。建っている家はそのまま住めても、壊すと同じ場所に建て直せない。これが「再建築不可」と呼ばれる状態です。
買う人の多くは、古い家を壊して新しく建てるつもりで土地を見ます。建て替えられない土地は、その前提がくずれるので買い手がぐっと減ります。売れないと言われるのはこのためです。
再建築不可と言われても、本当にそうか確かめる

生成AIで作成したイメージです
不動産会社の「再建築不可」は、見た目や過去の経験から言っていることもあります。建て替えられるかどうかを決めるのは役所なので、一度は自分で確かめてください。
前の道が「2項道路」かもしれない
幅4メートルない道でも、道路とみなされるものがあります。建築基準法42条2項は、決まりができたときにすでに家が立ち並んでいた4メートル未満の道で、役所が指定したものを道路とみなすとしています。
この場合の道路の境目は、道の中心から2メートル下がった線。つまり、敷地の一部を道にゆずる形で下がれば、建て替えられることがあります。これを「セットバック」と呼びます。
43条2項の許可や認定で、建てられることがある
法律上の道路に接していなくても、あきらめるのは早いかもしれません。43条2項には、道路に接していなくても建てられる場合が書かれています。役所が交通や防火のうえで支障がないと認めた場合と、建築審査会の同意を得て許可した場合です。
どんな場合に認められるかは、役所ごとに基準があります。過去に同じ道ぞいで許可がおりた例があるかも、窓口で聞いてみてください。
都市計画区域の外なら、道の決まりはかからない
建築基準法41条の2によると、道路に接する決まりは都市計画区域と準都市計画区域の中だけでかかります。山あいや農村部の実家なら、そもそも区域の外かもしれません。区域かどうかは、役所の都市計画の窓口で教えてもらえます。
となりの土地を少し分けてもらう
奥まった土地で、通路の幅があと少しだけ足りない。そんなときは、となりの人から土地を少し買ったり借りたりして2メートルを満たす方法があります。話し合いが前提なので、となりとの関係しだいです。
再建築不可か役所で聞くときに、持っていくもの
窓口は、市役所や区役所の建築指導課などです。名前は自治体で違うので、「家の前の道が建築基準法の道路かどうか聞きたい」と言えば案内してもらえます。
実家の住所と地番(固定資産税の通知書や登記の書類に書いてある)
家のまわりの地図や、道と敷地がわかる写真
あれば、家を建てたときの図面や測量図
聞くことは三つです。前の道は建築基準法の道路か。道路なら何項の道路か。道路でないなら、43条2項の許可や認定の例があるか。この答えで、次にやることが決まります。
再建築不可のまま売る、三つの道
調べた結果、やはり建て替えられないとわかった。それでも売る道はあります。
1. となりの家に買ってもらう
いちばん自然な買い手は、となりの人です。となりにとっては、敷地が広がって使い道が増えます。売るこちらにとっても、ふつうの買い手より話がまとまりやすい相手です。まずは一度、声をかけてみてください。
2. 再建築不可を買い取る会社に売る
再建築不可の物件を専門に買い取っている会社があります。買ったあとに直して貸すなど、使い道を自分で持っている会社です。値段は建て替えられる土地より下がりますが、早く手放せるのが強みです。
仲介で買い手を探すか、会社に買い取ってもらうかの考え方は、空き家は仲介と買取どっち?にまとめています。
3. 直して住みたい人に、仲介で売る
建て替えなくても、今の家を直して住みたい人はいます。家の状態がよければ、仲介で探してもらう道もあります。ただし、次の点に気をつけてください。
再建築不可の家を直して使う人に、知っておいてほしいこと
国土交通省によると、2025年4月から建築確認の対象が見直されました。木造2階建ての家などは、屋根・外壁・床・階段を大きく直すときにも建築確認の手続きがいるようになっています。
建築確認がいる工事が、道に接していない家でどこまでできるか。ここは家ごとに違うので、直すつもりの人に売る場合は、役所か建築士に先に聞いておくと話がこじれません。
建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し(国土交通省)
再建築不可の実家について、よくある質問
再建築不可の家は、壊して更地にすれば売れますか
壊しても、建て替えられない土地であることは変わりません。むしろ家がなくなると、今の家を直して使いたい人という買い手も失います。壊す前に、空き家を更地にしても売れないことがあるも読んでみてください。
再建築不可の家に、このまま住み続けることはできますか
今ある家に住み続けること自体は、再建築不可だからといってできなくなるわけではありません。困るのは、古くなって建て替えたいときや、大きく直したいときです。
再建築不可物件は、買うのをやめたほうがいいと聞きます
それは買う側から見た話です。建て替えられない、融資がつきにくいなどの理由で、買う人が慎重になるのは確かです。売る側としては、その事情をはじめから前提にしてくれる相手を選ぶことになります。
まとめ|再建築不可と言われたら、まず役所で道を確かめる
再建築不可の理由は、ほとんどが「道路に2メートル以上接していない」こと(建築基準法43条)
4メートルない道でも、2項道路ならセットバックで建て替えられることがある(42条2項)
道路に接していなくても、許可や認定で建てられることがある(43条2項)
都市計画区域の外なら、道の決まりはかからない(41条の2)
それでも建て替えられないなら、売る相手はとなり・買い取る会社・直して住みたい人
「再建築不可」は、言われた瞬間に売れない家に思えてしまう言葉です。でも、役所で道の種類を聞くだけで、話が変わることがあります。確かめたうえで、それでもだめなら、はじめから事情をわかってくれる相手に売る。その順番で進めてください。

