空き家は仲介と買取どっち?仲介で売れなかった家を買取に出す前に確かめる順番

相続した実家を不動産屋に預けて、半年たっても内見の連絡がない。値下げの相談をされて、それでも動かない。そんなとき、買取という言葉が目に入ってくると思います。

ただ買取について調べると、安く買い叩かれるとか、やめたほうがいいといった話も同じくらい出てきます。仲介を続けるべきか、買取に切り替えるべきか。どちらの話も間違ってはいないので、よけいに迷います。

私も親の家のことを調べはじめてから、知恵袋で同じ迷いをいくつも読みました。築50年近い空き家を相続して、買取の金額が思っていたよりずっと低かった。ボロボロでも買い取りますという広告を見たけれど、信じていいのか分からない。どの相談も、困っているのは金額そのものより、その金額が妥当なのかを見分けられないことでした。

この記事で分かること

仲介と買取、いまの自分はどちらを選ぶ段階にいるのか
買取の金額が安すぎるかどうかを見分けるために聞くこと
買取をやめたほうがいいのは、どんなときか
契約書で必ず見ておく特約と、その理由
買取の窓口の種類と、査定を出す順番

法律と制度の部分は、国土交通省の資料と法令の原文にあたっています。確認したのは2026年9月23日です。

空き家は仲介と買取どっち? 仲介で動かなかったなら、買取を比べる段階です

先に答えを書きます。仲介でまだ試していないことが残っているなら、仲介を続けたほうが手元に残るお金は多くなります。仲介で手を尽くしても動かなかったなら、買取を複数社で比べる段階です。どちらが正しいかではなく、いまどの段階にいるか。それで決まります。

仲介と買取は「買う人」が違う

仲介は、不動産会社があなたの家を買いたい人を探してくる方法です。買うのは一般の人なので、条件が合えば相場に近い値段がつきます。そのかわり、買う人が現れるまで待つことになります。

買取は、不動産会社そのものが買います。買う人を探す時間がいらないので早く終わる。けれど会社は買ったあとに直したり片付けたりして、もう一度売る必要があります。その費用と利益の分だけ、値段は仲介より下がります。

家を売る話というより、誰に売るかの話だと考えると整理しやすいと思います。

仲介で「やり尽くした」と言えるかを確かめる

買取に切り替える前に、次のことを振り返ってみてください。

振り返ること まだなら
相談した不動産会社は1社だけか 地域の空き家に慣れた別の会社にも聞く
売れない理由を担当者に聞いたか ネックになっている点を一つだけ聞く
自治体の空き家バンクに登録したか 自治体の窓口で登録の条件を確かめる
家の値段が低すぎて断られていないか 800万円以下の家の仲介手数料の特例を知っておく

最後の行は少し説明がいります。価格が800万円以下の家は、令和6年7月1日から仲介手数料の上限の特例ができました。安い家は手数料が手間に見合いにくいという事情に、国が手当てをした形だと私は受け取っています。上限は30万円の1.1倍までで、国土交通省の消費者向けページで2026年9月23日に確認しました。詳しい仕組みは不動産屋に断られた空き家は、なぜ断られたのかに書きました。
不動産取引に関するお知らせ(国土交通省・消費者の皆様向け)

ここまで試して動かないなら、買取を考えるのは早すぎる判断ではありません。

空き家の買取は、なぜ仲介より安くなるのか

買取の金額が低いのには、中身があります。何が引かれているのかが分かれば、安すぎるのかどうかも見分けられるようになります。

買取価格から引かれているもの

会社が空き家を買ったあとにかかるお金を考えると、見えてきます。

建物が古ければ直すか壊すかの費用。家の中に荷物が残っていれば処分の費用。もう一度売るまでの固定資産税や管理の手間。そして、事業として続けるための利益です。仲介なら買主がかぶる手間を、買取では会社が先に引き受けます。

言いかえると、買取の金額は「そのまま引き取ってもらう料金」を差し引いた値段です。片付けも修繕も自分でしなくていいという点に、お金を払っていると考えると近いと思います。

「安すぎる」と感じたら聞くこと

金額を提示されて違和感があったら、その場で決めずに、次の三点を聞いてみてください。

一つめは内訳です。解体や残置物の処分をいくらと見て差し引いたのか。

二つめは前提です。その金額は、荷物が残ったままの状態を前提にしているのか。再建築ができない、名義が片付いていないといった事情をどう見たのか。

三つめは期限です。その金額はいつまで有効なのか。

答えが具体的なら、少なくとも根拠のある金額です。はっきりしないまま早く決めるよう急がされるなら、その会社で決める理由はありません。答え方のちがいは、2社以上に出してみると驚くほどはっきり分かります。

いくらなら妥当かという数字は、この記事では書きません。何割くらいで買い取るものなのかという質問はよく見かけますが、公的な資料でそれを示したものは見つけられませんでした。家の状態と地域で大きく変わるので、比べる相手を用意するほうが確実です。

空き家の買取をやめたほうがいいのは、どんなときか

買取はいつでも使える手段ではありません。次のようなときは、いったん立ち止まってください。

仲介で売れる見込みがまだ残っている

さきほどの表で「まだ」が残っているなら、先にそちらです。仲介で売れる家を買取に出すと、差額はそのまま手放すことになります。急ぐ事情がないなら、仲介の手を先に尽くしたほうがいい。

契約書の特約を確かめないまま進めようとしている

ここは読み飛ばさないでください。

家を売ったあとに、雨漏りやシロアリのように契約の内容と違う不具合が見つかったとき、売った側が責任を負うことがあります。契約不適合責任と呼ばれるものです。買取の相談では、この責任を売主が負わないという特約をつけるかどうかが話に出てくるはずです。

ただ、法令を読むと注意したい点があります。宅地建物取引業法の第40条は、この責任について買主に不利な特約を制限しています。ただし対象は「宅地建物取引業者は、自ら売主となる」売買です。つまり業者が売る側に立つときの決まりで、あなたが業者に売るときとは向きが逆になります。

もう一つ、民法の第572条には、責任を負わない特約をしても「知りながら告げなかった事実」については責任を免れることができないとあります。知っている雨漏りを黙っていれば、特約があっても守られない、ということです。

特約がどう書かれているか。知っている不具合をすべて伝えたか。この二つは契約の前に必ず確かめてください。特約の効き方が自分のケースでどうなるかは法律の判断になるので、心配なら契約前に弁護士や司法書士に見てもらう方法もあります。
宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)民法(e-Gov法令検索)

「どんな家でも買います」という広告をどう読むか

買取の広告には「どんな家でも」「他社で断られた家も」という言葉がよく並びます。これは買う意思があるという意味であって、あなたの家をいくらで買うかの約束ではありません。

相談を受け付けてもらえる範囲が広い、くらいに受け取っておくのがちょうどいいと思います。金額と条件は、実際に査定を受けて書面で出てくるまで分かりません。

空き家の買取の窓口は、大きく分けて三つの型がある

机の上の書類と電卓

生成AIで作成したイメージです

買取を頼める先は、だいたい次の三つに分かれます。どれが上ということではなく、家の事情によって向き不向きがあります。

窓口の型 向いている家 申し込む前に確かめること
訳あり物件を専門に買い取る会社 再建築不可、老朽化が進んでいる、荷物が残っている 対応エリア、現地に行かずに査定を頼めるか
地元の不動産会社の買取 地域の事情に左右される家、仲介と並べて相談したい家 買取もしているか、仲介と両方の見積もりを出してもらえるか
売却以外もまとめて相談できる窓口 売るか残すかもまだ決めきれていない家 相談のあとにどこへつないでくれるのか

仲介で動かなかった家は、一つめの型と相性がいいことが多いと思います。仲介で引っかかった事情を、はじめから前提にして値段をつける会社だからです。

訳あり物件を専門に買い取る会社の例

一つめの型の例として、空き家買取本舗があります。運営会社の案内ページによると、運営は千葉県東金市の有限会社マツドホームで、宅地建物取引業の免許は千葉県知事(1)第18397号です。公式サイトでは、再建築不可の物件や雨漏りのある家、荷物が残った家などを買取の対象として挙げています。

対応エリアは、書いてある場所によって違います。申し込みページには全国対応可とありますが、公式サイトのよくある質問では千葉県を中心に関東全域に対応と答えています。関東の外の家のときは、現地調査の段取りも含めて申し込みのときに確かめてください。2026年9月24日に確認しました。
会社案内(空き家買取本舗)

PR空き家買取本舗|訳あり物件の買取専門

相談・査定・現地調査は無料で、査定のあとに売却を強いることはないと公式サイトにあります。入力はお名前と電話番号だけ(2026年9月24日確認)。

実家の土地が借地の場合は、地主さんの承諾がからむので話が別になります。家を壊す前に、借地の実家を相続したら、壊す前に確かめることを読んでみてください。

空き家の買取査定を出すときの順番

申し込む前にやっておくと、話が早く進みます。

順番 やること
1 名義を確かめる。相続登記が済んでいるか、共有になっていないか
2 仲介で言われたことを書き出す。断られた理由、ついた値段
3 買取の査定を2社以上に出す。型の違う窓口を混ぜる
4 金額の内訳と前提と期限を聞く
5 契約書の特約を読み、知っている不具合をすべて伝える

いちばん大事なのは3です。一社だけだと、出てきた金額が高いのか低いのか比べようがありません。

名義がまだ親のままという人も多いはずです。法務省のQ&Aによると、相続登記の義務化は令和6年4月1日から始まり、それより前に相続した不動産で登記がされていないものは令和9年3月31日までに登記をする必要があります。2026年9月23日に確認しました。名義が片付いていないと売る手続きに入れないので、ここで止まっているなら査定より先にそちらです。
相続登記の申請義務化に関するQ&A(法務省)

査定を頼んだら断れなくなるのでは、と心配な人もいると思います。査定の段階では何も約束していないので、断って構いません。言い方に迷ったら空き家の無料査定は、あとから断れますを見てください。

空き家の仲介と買取について、よくある質問

仲介と買取の両方を、同じ会社に相談できますか

買取もしている不動産会社なら、仲介で売ったときの見込みと、自社で買い取るときの金額を並べて出してもらえることがあります。二つの数字の差が、買取で手放すことになる金額の目安です。差が小さいなら買取で早く終わらせる、差が大きいならもう少し仲介で粘る。そういう決め方ができます。

家の荷物が残ったままでも買い取ってもらえますか

荷物ごと引き取る前提で査定する会社はあります。そのときは処分の費用が金額から差し引かれているはずなので、いくらと見込んだのかを聞いてください。自分で片付けたときとの差を比べてから決めても遅くありません。

遠くに住んでいて、現地に何度も行けません

現地調査の立ち会いや鍵の受け渡しをどうするかは、会社によって対応が違います。立ち会いが何回必要か。鍵を預けられるか。申し込みのときに最初に聞いておくと、あとで困りません。

買取を断られることもありますか

あります。会社ごとに扱える範囲が決まっているためです。一社に断られても、型の違う窓口に当たると話が変わることがあります。

更地にしてから売ったほうが高くなりませんか

そうとは限りません。解体費は先に払うお金で、戻ってきません。建物つきのまま引き受ける買取なら、その費用を自分で出さずに済みます。判断の順番は空き家を更地にしても売れないことがあるにまとめました。

まとめ|仲介で動かなかった空き家は、買取を比べて決める

仲介で試していないことが残っているなら、先にそちら
買取が安いのは、片付けや修繕を会社が引き受ける分を差し引いた金額だから
金額に違和感があれば、内訳と前提と期限を聞く
契約不適合責任の特約の書き方と、知っている不具合の伝え方は契約前に確かめる
査定は2社以上に出して比べる

買取は、仲介で届かなかった家を手放すための道です。安いかどうかは、比べる相手がいてはじめて分かります。

一社だけで決めないこと。それだけ守れば、買い叩かれたと後から悔やむ場面はかなり減らせるはずです。

PR空き家買取本舗|比べる一社目に

査定は無料で、金額を聞いて断っても大丈夫です。

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