
相続した実家を、こわすことにした。あとは解体をたのむ業者を決めるだけ。そこで一括見積もりのサイトが目に入るのですが、申し込む手前で指が止まる人は多いと思います。
申し込んだとたんに、知らない番号から電話が次々にかかってくるのではないか。断るのに気をつかって、かえって疲れてしまうのではないか。
私も親の家のことを調べていて、ここがいちばん引っかかりました。実家を片付けるだけでも気が重いのに、営業電話の相手までしていられない。そう感じるのは自然なことだと思います。
この記事で分かること
一括見積もりで電話がしつこくなるかどうかが、何で決まるのか
連絡のしくみで見た、解体の見積もりサービスの違い
見積もりは何社にたのめばいいか
見積もりが高すぎるかどうかの見分け方
契約の前と、こわしたあとにやる手続き
サービスの内容は各社の公式サイトで、手続きは法令の原文でたしかめています。確認したのは2026年9月24日です。
解体の一括見積もりで電話がしつこいかは、「連絡のしくみ」で決まる
先に答えを書きます。電話がどれくらい来るかは、申し込んだ人の運ではありません。決め手は、使ったサービスのしくみです。あなたの連絡先がだれに渡り、だれから電話が来るのか。そこでほとんど決まります。
見積もりのサービスは、大きく分けて二つの型があります。
業者から直接連絡が来る型
申し込むと、あなたの名前と電話番号が複数の解体業者に渡り、それぞれの業者から連絡が来るしくみです。一度に何社かと話せるので早い。そのかわり、ほぼ同じ時間帯に何本も電話が鳴ることがありますし、断るときも一社ずつ自分で伝えることになります。
運営の担当者が窓口になる型
申し込むと、まずサービスの運営の担当者から連絡が来て、その担当者が業者とのやりとりをまとめるしくみです。業者の現地調査の日程も、断りの連絡も、担当者を通して進みます。電話の相手が一人で済むので、気持ちの負担はだいぶ軽くなります。
電話がいちばんの心配なら、申し込む前に、そのサービスがどちらの型なのかを公式サイトでたしかめておく。それだけで、あとの疲れ方がまるで違ってきます。
解体の見積もりサービスを「連絡のしくみ」で比べる

生成AIで作成したイメージです
ここでは、のこりやが紹介できる二つのサービスを、公式サイトに書かれていることだけで並べました。どちらが上ということではありません。あなたが何を一番気にしているかで選んでください。
| 見るところ | 解体無料見積ガイド | 解体工事比較ナビ |
|---|---|---|
| 運営 | 一般社団法人あんしん解体業者認定協会 | 株式会社サフタ(大阪市阿倍野区) |
| 連絡の窓口 | 協会のスタッフが専用の窓口になる。複数の業者から直接連絡は入らない、と明記 | 紹介された業者が現地調査をする。運営も間に入る |
| 紹介される数 | 最大6社 | 最大4社(状況に合う3社前後) |
| 断りの代行 | あり | あり |
| 費用 | 無料 | 無料 |
| 契約したときの特典 | 記載なし | お祝い金あり(条件は下に) |
いずれも2026年9月24日に各社の公式サイトで確認しました。
解体無料見積ガイド(公式)/解体工事比較ナビ(公式)
電話の相手を一人にしたいなら、解体無料見積ガイド
公式サイトのよくある質問には、複数の業者から直接連絡が入ることは一切ないと書かれています。問い合わせたあとは協会のスタッフが専用の窓口になり、業者とのやりとりをまとめる。断りの連絡も代わりにしてもらえます。
電話が何本も鳴るのがいちばんつらい人には、このしくみが合うと思います。登録業者は全国で1,640社以上と書かれていました。
PR解体無料見積ガイド|窓口は協会の担当者一人
最大6社の見積もりを無料で比べられます。業者から直接の電話はなく、断りも代行(2026年9月24日確認)。
しぼり込んだ数社と話したいなら、解体工事比較ナビ
こちらは、状況に合う3社前後を紹介してもらい、その業者が現地を見て見積もりを出す流れです。紹介された業者に納得がいかなければ、運営会社が断りを代行すると書かれています。
もう一つの特徴がお祝い金です。紹介された業者と、契約金額が51万円以上の解体工事を契約した人に、契約金額に応じて5,000円から50,000円が振り込まれます。途中で解約したり契約金額が変わったりしたら返すことになっている点と、申請してから振り込みまで翌月末前後かかる点は、先に知っておいてください。
PR解体工事比較ナビ|3社前後にしぼって比べたい人に
見積もりは無料で、断りの代行あり。51万円以上で契約するとお祝い金(2026年9月24日確認)。
▶ 解体工事比較ナビで見積もりを依頼する(無料)
解体の見積もりは何社にたのめばいいか
比べるなら、最低でも2社、できれば3社くらいが目安になると思います。
1社だけだと、出てきた金額が高いのか安いのか判断のしようがありません。かといって多すぎると、現地調査の立ち会いの日程を合わせるだけで一苦労です。解体の見積もりは、業者が実際に建物を見てから出すのが基本なので、社数がそのまま立ち会いの回数になります。
遠方に住んでいて何度も通えないなら、なおさら社数はしぼったほうがいい。上の二つのサービスは、どちらも紹介する業者の数をあらかじめしぼる形をとっています。
解体の見積もりが高すぎるかを見分ける
金額を見て「高すぎる」と感じたら、まず合計ではなく内訳を見てください。解体費は、建物をこわす費用だけでできているわけではないからです。
| 内訳に出てくるもの | 見るところ |
|---|---|
| 建物本体の解体 | 構造と広さの前提が合っているか |
| ブロック塀や庭木、物置など | どこまで撤去する前提か |
| 家の中に残った荷物 | 自分で片付けた場合との差 |
| アスベストの事前調査 | 調査の費用と、見つかったときの扱い |
| 整地や諸経費 | 何が含まれているか |
何社かの見積もりを並べてみると、ちがいが見えてきます。ある会社だけ荷物の処分が入っていない。ある会社だけ、ブロック塀をこわす費用が別になっている。合計だけで比べると、このちがいを見落とします。
もう一つ大事なのが、追加の請求が出る条件です。地中から古い基礎や廃材が出てきたときにどうなるのかは、契約の前に書面でたしかめておいてください。安い見積もりほど、ここが後から効いてきます。
解体を契約する前にたしかめる三つのこと
ここからは、法令の原文にあたった部分です。条文は2026年9月24日に確認しました。業者まかせにしがちですが、たのむ側が知っておいたほうがいいことが三つあります。
解体工事業の登録か、建設業の許可があるか
建設リサイクル法の第21条には、解体の仕事をするには都道府県知事の登録がいる、とあります。ただし、建設業の許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業のどれか)を持つ業者は、この登録がいりません。どちらの番号を持つのか、見積もりのときに聞いておくと安心です。
アスベストの調査結果を書面でもらえるか
大気汚染防止法の第18条の15によると、解体をじかに請け負う業者には、アスベストがあるかを調べる義務があります。調べた結果は、書面にしてたのむ側に説明しなければなりません。同じ条文には、調査の費用はたのむ側がきちんと負担する、ともあります。調査費が見積もりに入っているか、結果の書面はいつもらえるのかをたしかめてください。
80平方メートル以上なら、届出を誰が出すのか
建設リサイクル法の第10条と施行令の第2条では、床面積の合計が80平方メートル以上の建物を解体するとき、発注者が工事に着手する7日前までに都道府県知事へ届け出ることになっています。義務があるのは業者ではなくたのむ側です。実際の書類の作成を業者に任せるのか、自分で出すのかを、契約のときにはっきりさせておいてください。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(e-Gov法令検索)/大気汚染防止法(e-Gov法令検索)
空き家を解体したあとにやること
建物がなくなったら、それで終わりではありません。
不動産登記法の第57条では、建物がなくなった日から1か月以内に滅失の登記を申請しなければならないとされています。第164条には、正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料とあります。登記の手続きを誰にたのむかは、解体の段取りと一緒に決めておくと忘れません。
不動産登記法(e-Gov法令検索)
更地になると固定資産税の扱いも変わります。そもそもこわしてから売るのがいいのかどうかは、空き家を更地にしても売れないことがあるにまとめました。こわさずに建物ごと引き受けてもらう道を考えるなら、空き家は仲介と買取どっち?も読んでみてください。
解体の一括見積もりについて、よくある質問
電話で見積もりを断るとき、なんと言えばいいですか
「今回はほかの会社にお願いすることにしました」と一言で十分です。理由を細かく話す必要はありません。断りの代行があるサービスなら、それを使ってしまうのがいちばん楽です。
見積もりを取ったら、契約しないといけませんか
いけません。見積もりはあくまで比べるための材料です。どちらのサービスも、見積もりの費用はかからないと公式サイトに書かれていました。
現地調査には立ち会わないといけませんか
建物の中を見てもらう必要があるので、鍵をどう開けるかは決めておく必要があります。立ち会えないときの扱いは業者によって違うので、申し込んだときに担当者に聞いてください。
実家が遠くて、何度も行けません
社数をしぼれるサービスを選ぶのが一つの方法です。立ち会いが何回必要か、鍵を預けられるかを最初にたしかめておくと、あとの予定が立てやすくなります。
まとめ|解体の見積もりは、連絡のしくみで選ぶ
電話がしつこくなるかは、業者から直接来る型か、運営が窓口になる型かで決まる
見積もりは2〜3社で比べ、合計ではなく内訳を見る
追加の請求が出る条件は、契約前に書面でたしかめる
解体業の登録番号、アスベストの調査結果の書面、80平方メートル以上の届出を誰が出すかをたしかめる
こわしたら1か月以内に滅失の登記
一括見積もりそのものが悪いわけではありません。怖いのは、しくみを知らないまま申し込んでしまうことです。
電話の相手を一人にしたい。それが一番なら、窓口を一本にまとめてくれるサービスから始めてみてください。

